C大阪の日本代表MF清武弘嗣(22)が今夏、ドイツ1部ニュルンベルクに移籍することが6日、分かった。C大阪関係者がクラブ間交渉が合意に至ったことを認めた。違約金は約120万ユーロ(約1億2600万円)で、3年契約での完全移籍となる見込み。清武がC大阪でプレーするのは6月までで、同30日の浦和戦(長居)がラストゲームとなりそうだ。その後、7月上旬に渡欧し、メディカルチェックを受けて正式契約を結ぶ。

 ニュルンベルクは昨冬の移籍市場でも清武獲得のオファーを出していた。当時は清武がロンドン五輪までは日本でのプレーを希望していたこともあり、交渉はまとまらなかったが、今年に入ってからも交渉を続けていた。ニュルンベルクが1部に残留することが移籍の条件とされていたが、5日の最終節を終え、リーグ10位で今季の全日程を終了。1部残留が決まったことで、移籍への支障もなくなった。

 C大阪は来年1月まで契約が残る清武の違約金を約100万ユーロ(約1億500万円)に設定していたが、日本をロンドン五輪出場に導くなど、選手としての価値が高まったことを受け、地道に交渉を続け、当初の約1・2倍の違約金を勝ち取った。ニュルンベルクは清武が熱望している五輪出場も容認。清武はロンドン五輪には海外組として挑み、男子サッカー史上44年ぶりのメダル獲得を目指す。

 ◆清武弘嗣(きよたけ・ひろし)1989年(平元)11月12日、大分県生まれ。大分ユースから08年に大分入り。大分のJ2降格を機に、10年にC大阪に移籍。リーグ通算91試合17得点。今季はリーグ10試合2得点。五輪代表の主力で、日本代表でも国際Aマッチ5試合に出場。172センチ、66キロ。

 ◆ニュルンベルク

 1900年、ドイツ南部のバイエルン州ニュルンベルクに創設。20年にリーグ初制覇。過去9度のリーグ優勝、4度のドイツ杯を誇る古豪。90年代以降は1部と2部を行き来している。昨季は6位。主な選手はチェコ代表FWペクハルトら。本拠地はイージークレジット・スタジアム。