<セリエA:インテルミラノ1-0ACミラン>◇7日◇ミラノ

 インテルミラノの日本代表DF長友佑都(26)が、ACミランとのダービー戦に右MFとして先発。自ら「人生初」という退場処分を受けた。すでに1度警告をもらっていた後半3分。相手パスをハンドし、2枚目のイエローカードでロッカー室に退いた。長友は10人で1点リードを守りきった仲間について「今日はただ、チームメートに感謝したい」と話し、この経験を今後の糧にすることを誓った。

 長友は1-0の勝利をスタジアムの中で見届けると、手放しで喜んだ。「危ないシーンもあったんで、本当に『お願いします』と願っていた。勝った瞬間にガッツポーズしました」。伝統のミラノダービーを制し、チームはこれで3連勝。依然として昨季開幕から負けなしを続ける首位ユベントスを、勝ち点4差でぴったりマークだ。

 退場にはなったが、長友の前半の貢献がなければ、この日の勝利はなかった。長友は、ここ4戦で5ゴールを決めている相手のイタリア代表FWエルシャーラウィを徹底マーク。体を密着させてシュートを打たせず、リズムを崩した同FWは後半途中で交代した。長友は仲間から「前半はお前がしっかり抑えてくれた」と声をかけられたという。

 ただ、インテルが前半4分に先制する良い流れの中で、長友は同23分に相手を倒して最初の警告。さらに後半開始早々に右腕でのハンドを取られて退場となった。インテルのストラマッチョーニ監督は「あの判定は正当ではない」とかばったが、相手のアレグリ監督も「ボールを腕に当てればハンドであることは規則通りだ」と冷たかった。

 それでも長友は「今日はただチームメートに感謝したい」と感謝の言葉を口にし、気持ちを切り替えた。日本代表としての親善試合、フランス戦(12日)、ブラジル戦(16日)へ向け、「人生初めての退場かな。チームメートに迷惑をかけたが、これもいい経験。しっかり反省したい。次に代表戦もあるし、切り替えて、良いパフォーマンスで貢献したい」と話した。【波平千種通信員】