韓国サッカー協会は24日、代表チームの新監督にJリーグの柏などで活躍した洪明甫氏(44)の就任を発表した。任期は2年。同日夕、滞在先の米国から帰国し、韓国メディアに「これから韓国サッカーは第2の飛躍の時期を迎える。そのために私の全てをささげる」と決意を語った。

 日本も出場する7月の東アジア杯(韓国)が初采配となる。中央日報などによると、15年アジア杯オーストラリア大会までの契約で、W杯、アジア杯の成績によって契約期間の延長について話し合うという。

 02年W杯日韓大会で韓国代表の主将としてベスト4進出に貢献するなど、W杯に4度出場。指導者としては、昨年のロンドン五輪で韓国代表を率い、銅メダル獲得。06年W杯ドイツ大会では代表コーチも務めるなど、実績は申し分ない。

 韓国代表はW杯アジア最終予選の最終戦で、ホームでイランに敗れ2位でブラジル切符を得た。予選終盤の不振もあり崔康熙前監督が退任した。現在のチームは、海外でプレーする若手選手が増え、海外組と国内組の間に溝ができ、それがチーム不振の原因という見方もある。親善試合や代表練習は国内組中心だが、重要な大会では海外組中心となる。崔前監督も、求心力低下に苦労したという。

 洪氏は、五輪代表でも同じような問題があったチームを最終的に1つにまとめ上げ、銅メダルを獲得した。人気とカリスマ性を備えるだけに、韓国の聯合ニュースは「最善のカード」「理論と実技を兼備」と歓迎する評論家らの声を紹介。国民の期待を背負い、切り札の登板となった。

 ◆洪明甫(ホン・ミョンボ)1969年2月12日生まれ。韓国ソウル出身。高麗大から浦項を経て97年にJリーグ平塚(現湘南)、99年から柏でプレー。DF、ボランチとして活躍した。韓国代表では、90年W杯イタリア大会から4大会連続出場。02年日韓大会では主将として4強進出。04年、米MLSギャラクシーで現役を引退した。家族は夫人と2男。血液型はB。