<セリエA:ACミラン0-2パレルモ>◇2日◇ミラノ

 【ミラノ(イタリア)3日=波平千種通信員】ACミランの日本代表FW本田圭佑(28)が今季初めて地元メディアに酷評された。2日(日本時間3日)のパレルモ戦(ホーム)に定位置の右FWで出場したが、低調なチームに吸収されるように見せ場なく後半23分に交代。チームも格下に完敗。本田はこれで3戦連続得点なし。急ブレーキがかかった。

 本田が辛口イタリアメディアの餌食になった。昇格組のパレルモ相手にホームでいいところなく完敗。立ち上がりに守備の要DFアレックスが負傷交代し代役のDFサパタがオウンゴールを含む2失点に絡む悪循環。インザギ監督も本拠地で初めてブーイングを浴びた。背番号10を背負う本田も例外ではなかった。

 序盤からボールが回ってこない。前半終了間際の直接FKも壁に当てた。後半23分に交代。取材エリアでは立ち止まることなく、コメントしなかった。3試合連続無得点の本田に、翌3日付イタリア各紙は容赦がなかった。

 主要スポーツ3紙は、すべて4・5点の落第点。ガゼッタ・デロ・スポルトは「(バイクの)ホンダどころかキックボード」と自転車以下?

 の扱い。コリエレ・デロ・スポルトは「ベローナ戦の後におそらく、昨シーズンプレーしていた兄弟と再び入れ替わったに違いない」。トゥット・スポルトは「最初の何試合かの花火が今は小さな導火線に。いったい本当の本田はどちらなのか」と疑問を呈した。

 開幕から10戦連続で先発起用されている。7戦を消化時点で計6ゴールの量産態勢だったが、ここ3戦はピタリと止まった。チャンスらしいチャンスもない。不発のここ3戦ミランは2分け1敗。記者会見で「本田に代え、他の選手を起用するか」と問われた指揮官は「1試合悪かったからといって、選手を試合に出さないわけにはいかない」とかばった。これが唯一の温かい言葉だった。