ACミランの日本代表FW本田圭佑(28)が今夏、ミランの10番を背負い日本に凱旋(がいせん)する可能性が高いことが9日、分かった。今夏のアジアツアーを計画中とされるミランが、来日し本田の古巣である名古屋を第1候補に、親善試合を開催したい強い意向を持っていることが判明。実現すればミラン本田の国内お披露目の場となる。

 ミラン本田の凱旋プランが具体化した。今夏のアジアツアーを計画中とされる名門が、来日し対戦相手の筆頭候補に名古屋を挙げていることが分かった。

 セリエA関係者は「ミラン幹部が名古屋に行きたいと言っている」と証言。本田がプロの第1歩を踏み出し05年から3年間在籍した古巣を対戦相手に“指名”。名古屋の関係者は「具体的な話は何も聞いていない」と話しているが、交渉は水面下でスタートしているようだ。

 ミランは近年オフシーズンを利用し米国ツアーを行っていたが、本田の移籍もあり日本を重視。昨年5月には日本市場を意識するバルバラ・ベルルスコーニ副会長が「できたら親善試合も開催したい」と話している。本田の加入後、複数の日本の大企業とスポンサー契約を結ぶなど関係は深まる一方。世界一となった07年クラブW杯以来、8年ぶりの来日もむしろ自然な流れといえる。

 昨年1月に盛大な会見でミランに加入し、重い10番を背負いレギュラーとしてプレーする本田にとっては、これ以上ないお披露目の場となる。プロのイロハを学んだ名古屋を相手に、世界的ビッグクラブ、あの赤と黒のユニホームを身にまとい成長を示すことができる。日本代表では何度も国内でプレーしているが、08年1月にオランダ1部(当時)VVVに移籍後、CSKAモスクワ時代も含め、所属クラブの一員としてここ8年、日本でプレーしたことはない。記念すべき初めての凱旋の場となる。

 今季からJリーグが2シーズン制になること、スポンサー契約など、まだクリアすべき条件は多いという。現状では7月下旬から8月上旬とみられる来日時期も含め、不確定要素は多いが、実現すれば見逃せない夢の一戦となる。

 ◆ミラン来日

 日本との縁は深い。トヨタ杯で89、90年に2連覇を達成するなど、国立で行われていた“世界一決定戦”に欧州王者として5度の出場経験がある。歴史は今も引き継がれており、現在も在籍するクラブのシェフはスマートフォンに日本でトヨタ杯を掲げるロッカールームの写真を保存している。トヨタ杯を引き継いだ形のクラブW杯では07年に来日し優勝。この時は準決勝で浦和を1-0で下した。

 ◆本田の予定

 今季のセリエA最終節は5月31日アタランタ戦(アウェー)となっている。その後はオフで、招集の可能性が高い日本代表の一員としてW杯アジア予選を戦う見込み。来季のセリエAは8月23日に開幕予定。今季より約1週間開幕が早い。今季のチーム集合日は7月9日で、同22日に遠征先の米国入りしている。ここから推測すると、来季に向けても7月上旬にはチームとして活動を始めることになりそうだ。