
【新潟大会】
2002年サッカーW杯の国内開催都市などを巡る「キリンフットサルフェスティバル2001」新潟大会が6月10日、新潟市の新潟厚生年金スポーツセンターで行われた。レギュラークラス(一般の部)、ジュニアクラス(小学生の部)それぞれ12チームが予選リーグ、決勝トーナメントで争った。レギュラークラスはチュ・chu’s(長岡市)がCIBIE’S(柏崎市)を1−0で破って優勝を飾った。ジュニアクラスは早通少年サッカークラブ(豊栄市)がF.C.松浜(新潟市)を2−0で退けた。
スーパーサブがMVP 松島決勝ゴール
◆レギュラークラス決勝◆
チュ・chu’s 1−0 CIBIE’S
決勝戦は、ともに優勝候補に挙げられていたチュ・chu’sとCIBIE’Sの両チームで争われた。どちらが先に点を入れるかが、勝負の分かれ目だった。
開始1分。左サイドから蹴り出されたボールを松島靖師(29)が「狙って蹴った」ボールがゴールネットを揺らした。先制点は、チュ・chu’sにあっけなく入った。
先に1点を献上したCIBIE’Sのベンチから、「攻めろ、攻めろ」の声が飛ぶ。フットサルは守りよりも攻撃が勝敗を左右する。しかしチュ・chu’sの波状攻撃に防戦一方を強いられるCIBIE’S。後半に入っても流れは変わらない。チュ・chu’sの攻撃は緩むことがなく、CIBIE’SのGK楢舘和幸(24)はゴールマウスを割らせまいと必死のセーブ。なかなか攻撃に転じられないCIBIE’Sは焦りからパスミスが続く。
結局、松島の「ラッキーなシュート」が決勝点となった。松島は、予選リーグでは足のけがでスーパーサブとしてベンチを温め、決勝トーナメントからの出場だった。この1点がMVP獲得になるのだから、まさにラッキーなシュート。
チュ・chu’sはサッカーの県リーグに参加している地域のサッカークラブ「FC Bill Board」が母体。GKの大久保巧(27)は現役を続けているが、ほとんどは引退し、「サッカーをしていたい」というOBが集まって昨年秋に結成された。
地域クラブチームなので、職業もさまざま。代表の高野嘉男(29)が車の販売会社、監督の川島俊一(39)は病院勤務だ。密田健一(26)は設備、瀬沼雅幸(30)は縫製、金子俊高(29)は会計事務所、小林龍雄(25)は作業工具製造、須佐昭元(26)は食品会社に勤めるかたわら、週1回、長岡市体育館で汗を流している。
「出場するからには優勝を狙っていましたが、まさか優勝なんて」(高野)とうれしい誤算を噛み締めていた。この優勝を弾みに県予選、いずれは全日本へと、夢が現実となるような戦いぶりだった。
(写真上=レギュラークラスで優勝したチュ・chu’s 同下=レギュラークラス決勝の様子)
2度目の準優勝
優勝を逃した瞬間、黒木幸司(25)は流れる汗をぬぐいながら、「言わないでくださいよ」とつぶやいた。大会に出場した2回が、いずれも準優勝に終わったからだ。
CIBIE’Sは東京電力柏崎のサッカー部に在籍していた人がメンバーだ。サッカー部は今年、部活動を休止した。サッカーは、それぞれチームに在籍して各大会に出場したりしている。「11人制は試合を重視する人、汗を流すことを楽しむ人がいたが、フットサルは大会に出て勝ち、全日本を目指す人が集まって結成した」(黒木)。
県予選の出場も決め、全日本大会出場への希望をもって出場した大会だけに、準優勝は予想外の結果だったのだ。
早通少年サッカークラブ 完全V
◆ジュニアクラス決勝◆
早通少年サッカークラブ 2−0 F.C.松浜
5、6年生などがほかの大会に出場しているチームが多く、ジュニアクラスは混戦が予想された。やはり6年生は強かった。
6年生ばかりで出場した早通少年サッカークラブは「子どもたちが楽しめればいい」(宮島敏晴監督)と軽い気持ちで出場したが、予選リーグ2試合、決勝トーナメント2試合を零封という完璧な勝利だった。
主将の林宏紀君(11)がチームを引っ張り、試合ごとに底力を発揮していった。「だって優勝を狙っていたんだもの」ときっぱり。3、4年生が中心のチームに負けるわけにはいかなかったのだろう。
チームが戦った4試合の合計9得点中3得点、うち決勝戦でも先制点となる1得点を挙げた中山祥太君(11)がMVPに輝いた。「うれしい、うれしい」を連発。
学校のクラブを引き継いで、監督をはじめコーチ役は父兄がかって出ている。1年生から6年生まで40人ほどが在籍している11人制のサッカークラブ。「中学校のサッカークラブの下地作り、ボール蹴りの延長線上にあればいい」というのが宮島監督らの考えだ。フットサルは、雪が降る冬に練習を重ねている。
「子どもたちがのびのび楽しんでくれたのが、一番の喜びです。大会のレベルの問題ではなく、県内から12チームも参加して優勝できたということは、子どもたちの将来の貴重な体験になる」と宮島監督は子どもたちの試合ごとの成長に目を細めていたのが印象的だった。
(写真上=ジュニアクラス優勝を飾った早通少年サッカークラブ 同下=ジュニアクラス決勝の様子)
まず試合を見ることが大切
■ジュニアクリニック■
大会前にジュニアクリニックが開かれ、講師を務めたフットサル元日本代表監督のアデマール・ペレイラ・マリーニョ氏(47)が、大張り切りだった。大会参加のジュニアチーム相手にゲーム形式で指導、ちゃめっ気たっぷりにお手本プレーを見せた。
マリーニョ氏が蹴ったボールをセーブした麦倉亮君(10=保内キッズSC)は「緊張したけど、わかりやすかった」とうれしそうだった。佐久間隼司(9=402真砂サッカー少年団)は「ゲームではいろいろな形で攻撃してくるので勉強になった。午後からのゲームは、この体験で1位になりたい」と抱負を語った。
マリーニョ氏は、Jリーグの前身である日本リーグ時代にフジタ工業(現湘南)、日産自動車(現横浜M)で司令塔として活躍した。現役引退後もサッカー解説やフットサルの指導者として日本サッカー界に貢献している。
| ◆マリーニョ氏アドバイス |
ジュニア世代で一番大切なことはなにか。練習すること? 努力すること? もちろんそれらも大事だけど、まず試合を数多く見ること。見たことのないスポーツを「やってみて」といってもできない。ゲームを多く見た子どもはいろいろなプレーを目にしている。そのプレーが頭の中に入っているので、上達が早い。
そういう意味で、キリンフットサルフェスティバルのような大人と一緒の大会は、子どもたちに貴重な体験になります。その次が練習です。体が覚えてしまうまで繰り返し練習すること。失敗しないと成長はしません。失敗を恐れず、できないことでも挑戦し続けることが大切です。
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裾野拡大に一役
◆キリンビール新潟支社・大塚正雄支社長
キリンビールは、健康・楽しさ・快適さを経営理念にしておりまして、78年(昭53)のジャパンカップをきっかけに日本のサッカー界を支援させていただくなど、スポーツを通じて楽しさ、健康の喜びをお客さまにお届けしています。
私が支社長に赴任した3年前から、本大会を開催してまいりましたが、3年前とくらべると、競技レベルも観客の多さもますますの盛り上がりを見せています。ゲーム、スピード、技術とも急速な進歩がみられます。
手軽にできるスポーツとして、町のちょっとした空スペースでフットサルをしている光景も見かけますし、支社への問い合わせもあるなど、キリングループがフットサルのすそ野拡大に少しでもお役に立てている喜びを実感しています。
キリンビールは地域の人たちとともに生活しています。本大会のような活動を通じて、その地域の人たちに愛されたいと考えています。
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気軽に楽しめる
◆新潟県サッカー協会・真島一男会長の話
今年の新潟のサッカー界は、スポーツのもつ一体感で大変な盛り上がりをみせ、明るいニュースでいっぱいです。W杯会場となる競技場、ビックスワンが完成し、こけら落としとなるアルビレックス新潟と京都パープルサンガのJ2試合には3万2000人、W杯のプレ試合であるコンフェデレーションズ杯の予選2試合には4万人が入りました。試合結果は日本代表の大活躍で決勝進出を飾った。世界レベルの試合を目の当たりにできることは、県民にいい体験となったに違いない。コンフェデで明らかになった交通輸送などの問題点も、W杯ではその経験が生かされる事と思います。
フットサルはサッカーの基本であり、だれもが気軽に楽しめるスポーツとして注目されている。フットサルの時代が必ずくると考えており、キリンビールグループをはじめ、関係各位の熱心な支援に感謝しています。
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盛り上がり実感
◆新潟県サッカー協会フットサル・森恭副委員長
全日本大会の出場チームを決める県予選を、今年から全県4か所ですることができるまでに急発展している。140以上のチームからの問い合わせがあり、フットサル人口の急増、盛り上がりを実感している。県予選のHP(http://yamori.ed.niigat-u.ac.jp)を開設している。ボールを蹴ることができる体育館が少ないこと、審判員や指導員の不足など、問題がないわけではない。こうした問題点を整備しながら、この盛り上がりを定着させたい。
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子どもと一緒に
◆新潟県サッカー協会フットサル・長谷川浩副委員長
フットサルの魅力は、大人も子どもも女子も、同じボール、同じピッチで楽しめる競技だ。大人のゲームを見て子どもたちも学べるなど、同じピッチで楽しめることのメリットは大きい。普及の面では地域のリーグ戦が求められる。
本大会はいろいろなチームと戦え、楽しみにしているチームがあるほど新潟ではすっかり定着している。
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