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【横浜大会】

 2002年W杯の国内開催都市を巡る「キリンフットサルフェスティバル2001 横浜大会」が、10月27、28日にアディダスフットボールパーク横浜金沢で開催された。ジュニアクラス(小学生)16とレギュラークラス(中学生以上)24の合計40チームが熱戦を繰り広げた。レギュラークラスでは、共催W杯の決勝の地・横浜にふさわしく、日韓混成チームのFC BUTTYSが初優勝を飾った。ジュニアクラスは水石FCが制した。

日韓混成チームの息ピッタリ 勝因は守りの安定

◆レギュラークラス決勝◆
FC BUTTYS 1−1(PK)2−1 COMPROMISE

レギュラークラス決勝  日韓共催W杯の決勝の地である横浜大会の王者となったのは、日本人5人、韓国人4人の日韓混成チームFC BUTTYS。予選から堅守と中心選手のヒソン(28)ソッチン(26)のキム兄弟の息の合ったコンビで勝ち上がった。
 豪雨の中での決勝は、両チームとも体を張った激しい攻防となった。前半は互いにチャンスをつくりながらも、惜しいシュートが続き0ー0で折り返す。
 後半2分にBUTTYSの神庭兄弟の兄・力(つとむ=38)が相手のクリアミスを逃さず、GKの脇を冷静に抜き先制する。が、2分後にCOMPROMISEも負けずに同点ゴール。その後もGK安田真也(35)の好セーブなど、互いに譲らずPK戦に突入。先攻のCOMPROMISEが2人外したのに対し、BUTTYSは、今野忍(31)とヒソンが確実に決め、激戦にけりをつけた。神庭晃(36)は「ここまで来れるとは思っていなかったので、とてもうれしい」と話した。

FC BUTTYS  チームは、千葉県津田沼にあるフットサル場に集まっていた仲間によって1年前に結成。「楽しくやろう」をモットーに、サッカー経験者の会社員や教師などの、もっぱら「飲み仲間」で構成されている。名前もよく通う居酒屋の頭文字をとって、「仲間」を意味するBUTTYを当てはめたという。普段は日曜日に練習するくらいで、大会に参加するのも今回が2度目のこと。
 それでもこの成績を残せたのは、韓国サッカーの特徴でもある、フィジカルと球際の強さがメンバーに浸透していたからだ。今野も「2人がいると安心できる」と、守りの安定を勝因に挙げていた。実際準決勝は、ピンチでシュートコースを消したキム兄弟のファインプレーで、1−0の接戦をものにした。
 ゲーム中にキム兄弟が韓国語で指示していたが、今野は「言ってることはニュアンスで理解できる」。フットサル、そしてサッカーが共通語となったBUTTYSは、チームワークも抜群だった。

「準Vを弾みに」

 COMPROMISEは、会場のアディダスフットボールパークのすぐ隣にある市立金沢高校サッカー部のOB達が結成したチーム。まさに「地元」開催だっただけに、代表の伏木田達朗(23)は「出るからには優勝を狙ってましたが…」と残念そう。GK山口満(23)を中心に予選から5試合無失点と守り勝ってきた。現在神奈川県のフットサルリーグ3部に所属。「準優勝を弾みにして、2部に上がりたいです」と新たな目標に目を向けていた。

(写真上=FC BUTTYSのキム・ソッチンがドリブルで攻め上がる 同下=日韓混成チームBUTTYSのメンバー)


前半から激しい点の取り合い制す

◆ジュニアクラス決勝◆
水石FC 8−3 府中新町FC

ジュニアクラス決勝  実力派同士の決勝は、攻撃力に勝る水石FCに軍配があがった。共に予選リーグ、準決勝の4試合を大勝した両チームの対戦は、前半から激しい点の取り合いになった。
 前半1分に水石のFW鈴木達郎(6年)が、角度のない左から強烈シュートで先制。続く4分にも10番・高橋秀嘉(6年)の遠目からのシュートが右ポストに当たりゴール。1点を返されるが、再び高橋が3人をかわし3点目。終了間際に1点を返され3−2で前半を終えた。
 後半も開始早々に鈴木が右ポスト際に決める。2分に府中が1点をあげるが、反撃もここまで。鈴木ー高橋のコンビで4点を挙げ、突き放した。

水石フットボールクラブ  いわき市好間(よしま)町にある水石FCは、週2回の練習と土日の遠征で、県内でも有数の実力をつけた。主将の高橋、決勝5発の鈴木とDFの要・石井駿(6年)の3人は、福島県のトレセンメンバーに名を連ねる。表彰式でも「優勝できると思っていた」と高橋らメンバーは自信たっぷり。チーム創立10周年を飾るタイトルに、代表の大和田聡さん(33)は「実力が十分出せました。朝4時にバスに乗ってきたかいがあった」と笑顔で話した。

攻めの姿勢崩さず

 府中新町FCは、10番の鈴木洋平(5年)と13番の昆野将伯(6年)による、パスと飛び出しの多彩な攻めで勝ち進んだ。残念ながら決勝では力尽きたが、最後まで攻める姿勢を見せた。月に1度はJ1の鹿島アントラーズや東京ヴェルディ1969のジュニアチームとの練習試合を重ねて強化。選手自身に先発メンバーを決めさせるなど、子供の自主性を育てるチーム作りをしている。代表の葛谷智貞さん(41)は、「ここまで勝てて上出来でした」と選手を褒めていた。

(写真上=水石FCの鈴木(中央)がDFのマークをかわす 同下=水石のメンバーは優勝にガッツポーズ)


選手とのプレーに参加者大喜び

 会場では試合以外にもさまざまなイベントが催され、大会を盛り上げた。7日に埼玉スタジアムで行われる「キリンチャレンジカップ・日本代表対イタリア代表」のチケット大抽選会では会場が大興奮。予約がわずか1時間で完売したプレミアチケットだけに、ゲストのフットサル日本代表監督の木村和司氏(43)や元監督のマリーニョ氏(47)サッカー解説者の水沼貴史氏(41)らが抽選番号が発表するたびに、会場からは当せん者やその仲間からひときわ大きな歓声が沸き上がった。見事「ゲット」に成功した横浜アルカディアFCの杉山義和さん(28)は、「とってもうれしいです。日本代表には良い試合を見せて欲しい」と、気分は早くも観戦モードに。
 また、ゲストによるトークショーや、握手&サイン会、記念撮影会に参加者が列を作る盛況ぶり。恒例のジュニアクリニック(写真)や、シュート速度を計測できる「スピードチャレンジ」などのアトラクションも行われ、選手や応援に駆け付けた人が気軽に参加し、楽しんでいた。


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今後も交流の場を

永田 キリンビール広報部 永田澄雄部長(54=写真)
 キリンビールは、サッカー日本代表と応援するサポーターも応援する「13人目のサポーター」として、サッカーを支援しています。それだけでなくフットサルフェスティバルのように、身近なグラウンドで頑張る人々もサポートしています。サッカーを通じて地域の人々と交流する機会をより多く提供していければと思っています。今回はキリンビールの発祥の地である横浜で開催できたことを大変うれしく思います。今後も続けていきたいと考えています。




ぜひ遊びに来て!!

和田 キリンビール横浜支社 和田茂支社長(51=写真)
 キリンビールの発祥の地である横浜で、今回初めてフットサルフェスティバルを開催できたことは、神奈川県内のW杯熱への盛り上がりにも役立てたのではないかと思っています。今後もスポーツイベントだけではなく、(11日まで開催中の)横浜トリエンナーレ2001など文化活動なども通して、さらに横浜に貢献していきたいですね。またキリンビール横浜工場でしか飲めないビール「スプリングバレー」を味わいに、ぜひ遊びに来て欲しいです。




触れ合いの場感謝

神奈川県サッカー協会フットサル委員会 上村智委員(38)の話
 今年から県内のフットサルリーグに3部リーグができるほど、フットサル熱が高まっています。トップ選手が地元の選手と触れ合える、このような大会が開催されたことは、フットサルの認知度が高まり、競技人口も増えることにつながり、大変うれしく思います。


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