レスリング女子6階級で最後に76キロ級の皆川博恵(クリナップ)が決勝で力尽き、日本は02年釜山大会で正式種目として採用されてから5大会目で初めて金メダルなしに終わった。中国選手に防戦一方だった31歳のベテランは「日本のために金メダルを、と思っていたけど全然駄目だった」と責任を背負った。

 日本協会前強化本部長の栄和人氏によるパワーハラスメント問題で大きく揺れ、新たな強化体制で臨んだ。しかし、栄氏に指導を受けていた昨年の世界選手権女王の川井が62キロ級、奥野が53キロ級でともに準決勝で敗れた嫌な流れを断ち切ることができなかった。

 16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)では4階級制覇を成し遂げた。20年東京五輪を見据えて世代交代も進める中、リオ五輪金メダルの土性沙羅が肩の手術で辞退した68キロ級で挑んだ源平は表彰台にも届かなかった。強化や育成などで多くの課題を突きつけられ、吉田、伊調が不在の初めてのアジア大会で、逆に2人の存在感が浮き彫りになった。