セーリング女子470級で吉田愛(37)、吉岡美帆(27=ともにベネッセ)組が金メダルに輝いた。16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)で5位入賞し、8月9日に女子で初めて世界選手権を制した“よしよし”コンビは、12レース中、10レースで1着の圧勝。吉田は「途中で集中力が途切れることもあったが、無事に金メダルを獲得できてよかった」と安堵(あんど)した。吉岡は「前半からいい風が吹き、中国を抑えられた」と話した。

会場のジャカルタ湾はチタルム川が流れ込むなど廃棄物由来の水質汚濁が深刻。6月に同会場で実施されたアジア選手権では日本代表の体調不良者が続出した。海水を口に含んでしまったことが原因ともいわれ、吉田と吉岡も高熱、下痢、吐き気の症状に見舞われていた。今大会は体の免疫力を高めるため日本セーリング連盟は疲労回復、抗菌作用がある梅干しの持参を指示。吉田と吉岡は、約60個の梅干しをジャカルタに持ってきた。昼食におにぎりを2、3個食すが、そのうち1個は必ず梅干しに。その効果もあってか、健康体で大会を乗り切った。

今大会で日本勢は4種目を制する金メダルラッシュ。3度の五輪経験がある吉田は「東京五輪が控え、日本チームの中でも競争し、強くなっている」と言った。【上田悠太】