古谷純平(27)が巧みなレース運びで、日本男子3大会連続となる金メダルを獲得した。1時間49分43秒でゴールし、2位のカザフスタン選手とは55秒差。小田倉真(25=ともに三井住友海上)は古谷から3分51秒遅れの7位となった。

金メダル最有力だった古谷が、笑顔でフィニッシュテープを持ち上げた。「今シーズン、ここでの金メダルが最大の目標だった。最高にうれしいです!」。20年東京五輪へのステップと考えていた大会で、これ以上ない結果を残した。

頭をフル回転させた。1・5キロのスイムを終え、小田倉とともに先頭集団を引っ張った。だが、当初は4人ぐらいの集団を想像していたが、40キロのバイクに移ると、その数はさらに膨らんでいた。

「警戒していたカザフスタンの選手が入っていて、さらに未知数な中国の選手も2人入っていた。しかも、その2人がローテーション(風の抵抗を受ける先頭を入れ替わりながらペースを上げる戦術)を止めてきた」

バイクをこぎながら「いつものようにイライラしないように」と自分に言い聞かせる。そして中国選手が集団を引っ張った際には「グッジョブ!」と声掛け。「そうやって言いながら、(相手を)気持ちよくして足を使わせました」。頭を使いながら、自らの消耗を最小限にとどめ、10キロのランに入ると一気に突き放した。

16年リオデジャネイロ五輪では代表切符を逃し、補欠選手として現地入り。2年後の東京五輪に懸ける思いは人一倍強い。「東京五輪で成功するためのロードマップの1つだった。これで完全燃焼せずに、次に向かってやっていきたい」。確かな手応えを胸に、さらにギアを上げていく。