日本柔道は動じない。柔道男子日本代表の井上康生監督(40)が2日、ジャカルタ・アジア大会を終えて成田空港に帰国した。

金メダルを獲得した男女混合団体準々決勝の韓国戦で起きたルールを巡る騒動について「相手がルールの解釈を誤ったことであったが、世界選手権(20日開幕、アゼルバイジャン)に向けて我々もこのようなことがないよう改めて学んだ」と話した。

韓国戦は3勝3敗と並んだが、指導3つによる反則勝ちを含む一本勝ちが「3対2」と多い日本が勝利した。今年、改正された国際柔道連盟(IJF)のルールでは、相手の指導3つのによる反則負けは全て「一本勝ち」扱いとなっていた。昨年まで指導差による優勢勝ちが存在したため、韓国がルールを誤ったとみられる。

国際大会では柔道が盛んな欧州の審判が多く見られるが、今回はアジア大会のためアジア勢の審判が大半だった。井上監督は「国際大会ではあまり多く見られない顔ぶれの審判が多々いた。選手にはそのようなことは伝えていたが、(判定に関して)予想以上だった」と振り返った。

3日から都内で始まる世界選手権に向けた最終調整合宿では、改めて資料を用いてルール説明会を実施するという。「毎年行っているが、大会に集中するためにも事前の確認作業は緻密にやる必要がある。試合では勝負以外に余計なエネルギーは使いたくない。我々がジタバタすることもないが、今大会を終えて改めて世界が『打倒日本』の執念を感じた。ただ、そんな中でも勝ち続ける。王道のチームらしく、堂々と慌てることなくしっかりと準備したい」と2週間後の本番を見据えた。