男子20キロ競歩で、仁川アジア大会銀の鈴木雄介(27=富士通)が世界新記録を樹立した。スタートから先頭に立ち、1時間16分36秒でフィニッシュ。今月8日にヨアン・ディニ(フランス)がマークした従来の記録を26秒も上回った。陸上の五輪、世界選手権実施種目で日本人が世界記録を樹立するのは、2001年女子マラソンの高橋尚子以来14年ぶり。男子では1965年男子マラソンの重松森雄以来50年ぶりとなった。世界選手権(8月、北京)代表も内定し、目標のリオ五輪金も視野に入った。

<鈴木雄介(すずき・ゆうすけ)アラカルト>

 ◆生まれ 1988年(昭63)1月2日、石川県能美市

 ◆サイズ 171センチ、58キロ

 ◆競技歴 石川・辰口中で始める。小松高から順大をへて、富士通に入社

 ◆世界大会 世界選手権は09年ベルリン大会で42位、11年大邱大会は8位、13年モスクワ大会は12位。五輪は12年ロンドンで36位

 ◆美しいフォーム なめらかで無駄のない歩型を持つ。失格の経験は1度もなく、前日本記録保持者の高橋は「フォームは鈴木さんの足元にも及ばない」とため息

 ◆ちょっと待て 高橋(岩手大)、西塔(東洋大)らが成長。「正直、日本が強くなったことを喜んでない。いつかなってほしいが、僕がメダルを取ってからにして」

 ◆最終目標 競歩の注目度アップを目指しており「メジャースポーツとまではいかなくても、日本選手権がテレビ放送されればうれしい」

 ◆趣味 カラオケ。歌唱力に自信あり