日本陸連の酒井勝充強化副委員長(55)が2日、都内での強化委員会後に、物議を醸した8月の世界選手権(北京)女子マラソン選考に言及。「最初から先頭集団についていかないといけない。勝つことではなく、設定タイムを目指さないとダメというメッセージを出せたのでは」と振り返った。先月11日に発表された女子代表3人には、選考レースの横浜国際を制した田中智美が選出されず、所属先の第一生命の山下監督、理事の高橋尚子さんらから疑問の声が上がっていた。

 先月下旬に山下監督と直接話し合った。勝利より設定タイムの2時間22分を狙ったかどうかに判断基準の優先度を置くことの周知徹底がされていなかったと指摘されたが、「分かっていると思っていた。そこは反省」と述べた。選考レースごとにペースメーカーの有無、設定タイムにも違いがあった点は、「(日本陸連が)決めるかは検討中」という。優勝よりタイム優先の方針は今後も変えない。