国際オリンピック委員会(IOC)が、2012年ロンドン五輪陸上男子400メートルリレーで2位に入った米国を失格とし、銀メダルを剥奪(はくだつ)する方針を固めたことが13日、関係者の話で分かった。メンバーのタイソン・ゲイ(米国)がドーピング違反で資格停止となった問題を受けたもので、米国オリンピック委員会(USOC)にメダル返還を求める。

 IOCはUSOCに成績の抹消とメダル返還を文書で通知した。これに伴い、IOC関係者は5位の日本が4位に繰り上がる見通しを示した。USOCは「メダル返還に応じ、クリーンな選手を守る手法を支援する」との声明を発表した。

 米国反ドーピング機関(USADA)は昨年5月、ドーピング検査で禁止薬物の筋肉増強剤に陽性反応を示したゲイに対し、13年6月から1年間の資格停止処分を科したと発表した。ゲイは初めて禁止薬物を使用した12年7月以降の記録が抹消となり、既にロンドン五輪の400メートルリレーで獲得した銀メダルをUSOCに返還していた。