陸上男子ハンマー投げの室伏広治(40=ミズノ)の日本選手権の連覇が「20」でストップする。日本陸連は15日、室伏が26日開幕の同選手権(新潟)に出場しないことを発表した。大会史上最長の連覇記録が途切れることになった。

 室伏は日本陸連を通じて「後輩たちに大きく伸びてもらいたいという思いから、自らがジャンプ台の役割になれればと日本選手権に出場してきましたが、昨年20連覇を達成し、その役割を果たしたと思っております。いつまでも自分が出場し続けることによって後輩が育たないとも感じています」とコメントした。所属のミズノによると、けがなどではなく、世界選手権(8月、北京)の代表入りが消滅することを分かった上での決断という。

 室伏は5月に12歳年下の女性と結婚した。20年東京五輪・パラリンピック組織委員会の仕事もあって多忙。4月には「僕が競技をやっているのは自分が勝つためではない。いかにして次世代の踏み台になるか。バネとして待ってんだけど、乗ってくれる人がいない」と嘆いていた。欠場と引き換えに新しい日本王者誕生を促す形となった。

 ただ、「後に続く若い選手が出てこなければ、いつでも日本選手権に出場したいと思っています」と今後に含みを持たせた。来年のリオ五輪については「2016年が明けてから示したい」としている。

 近年は「僕の現役は半年ごとの更新」が口癖だ。一方で「自分自身の競技としては五輪がサイクル。1年前から調子を上げてもあとは落ちるだけ」と話し、世界選手権よりも五輪を重視している。