日本歴代2位の記録をもつ新井涼平(24=スズキ浜松AC)が、大会記録となる84メートル13を投げて2連覇を飾った。

 5投目に79メートル39を出して優勝決めて挑んだ最終6投目。「良い跳び方をした。ケガ前の感覚が戻った」とやりを放した直後に両手を突き上げてガッツポーズをみせた。やりは12年にディーン元気が樹立した84メートル03の大会記録を示す赤いラインを超え、地面に突き刺さった。

 昨年10月の国体で、日本歴代2位となる86メートル83をマークした新星は、これが今季初試合だった。2月の南アフリカ遠征で食あたりで体調を崩し、1週間もまともな食事が取れずに体重が激減。その後も脇腹や腰の故障が重なり、焦りを募らせる日々が続いていた。まだまだ万全には程遠いなかで、しっかり記録は残し、「日本で優勝して世界陸上に出たかった」と胸をなで下ろした。

 この日の84メートル13は、12年ロンドン五輪なら5位、13年世界選手権なら銅メダルに相当する。海外勢も好調が目立つやり投げ界だが、「そこに負けないようについていきたい」と意気込む。胃も含めた体調が整っていけば、もっともっと記録は伸びる。代表を内定させた世界選手権(8月、北京)での躍進が期待される。