男子マラソンの川内優輝(28=埼玉県庁)が、5日に行われるゴールドコーストマラソン(オーストラリア)に参加するため2日の午後7時ごろ成田空港を出発した。

 平日に思うように練習が積めないなど練習不足を口にしつつも「優勝とか大きなことは言えないけど、最低でも1ケタ順位には」と目標を語った。

 出発前の会見ではナショナルチームへの参加を辞退したことについて、日本陸連への不信感をあらわにした。陸連は先月、マラソンのリオデジャネイロ五輪代表選考でナショナルチームの選手を優先して選ぶ原則を突然白紙にした。しかし陸連から川内にはなにも連絡がなく、川内は5月の仙台ハーフマラソンで実業団選手の知り合いから聞いたという。「これまでも連絡が何度も遅れて裏切られた。情報系統もしっかりしていない。そういう組織にいて意味があるのか」とばっさり切った。

 昨年の同チームの活動にも疑問をぶつける。12人の選手の中で、昨季2時間10分を切る「サブテン」を達成したのは川内と今井正人(31=トヨタ自動車九州)のわずか2人。うち3人はケガで走ることもままならなかった。「他にサブテンで走っている選手もいる。ナショナルチームが完全に負けている。1年間やってきたことは何だったのか。(今後)チームに入っておけばよかったと思うようなサポートになるとは全く思っていない」と率直に話した。

 リオ五輪が最後の五輪挑戦だと考える川内は、後悔しない道を進む。「科学のサポートより、野性的に山を駆けずり回るのが自分のやり方。枠にはめられたら後悔する。たとえダメでも、自分が思うようにやれれば」。独自路線で、出場権を勝ち取りにいく。