日本陸連の横川浩会長が29日、遠藤利明五輪相を訪問し、新国立競技場の建設に際し、2020年東京五輪・パラリンピックまでにサブトラックの常設化を要望した。

 横川氏は「オリンピックの仮設を壊して、その後に新しいものを造るのはなんとも無駄。オリンピックに合わせて常設を造ってほしい」と訴えた。ウオームアップなどを行うサブトラックがなければ国体、高校総体、全国中学生大会も開けず、レガシーにならないことを強調した。

 面会後の会見では常設化したサブトラックについて「大会の補助だけでなく、365日市民に解放する施設を造ってほしい」と述べ、皇居ランナーや満足なグラウンドのない中高生、仕事帰りの会社員などに利用する案を提示した。

 全国大会を毎年開催するわけではない新国立にサブトラックが必要か問われると「陸上の聖地として国立で陸上をやりたいという人たちに、2020年の後もオリンピックのレガシーとして継承していきたい」と答えた。

 自民党の部会では集客が厳しいとの理由から、五輪後は新国立を陸上競技場として使用しないという意見もあることについて「オリンピックでの陸上は日数も多くメーン競技。(五輪後も)新国立で陸上をやるべきだ」と訴えた。

 また、五輪のプレ大会を開くために20年春の工期を必ず守ってほしいと要望。その上で4月からプレ大会を行い、6月には日本選手権を新国立で開く意向を示した。