男子砲丸投げで、全国初出場の風張鼓太郎(岩手・水沢第一)が16メートル32の自己ベストで3位入賞を決めた。予選1投目から自己記録を更新。昨年のプロ野球ドラフト2位でヤクルト入りした2番目の兄・風張蓮投手(22)に続き、全国のひのき舞台に躍り出た。

 風張が全国1投目で波に乗った。予選1投目に自身初の16メートル超えになる16メートル25をマーク。それまでの自己記録を26センチ上回って決勝進出を決めた。決勝でも2投目に16メートル32を投げ、再度、自己ベストを更新。5投目終了時まで2位をキープしたが、最終投てきで惜しくも3位に順位を落とした。風張は「前評判が高かったのでプレッシャーはありました。県高校記録(16メートル43)を狙っていたので悔いは残るけれど、うれしい」と全国初表彰台で笑顔を見せた。

 岩手・伊保内から東京農大北海道オホーツクに進学した最速152キロ右腕の兄・蓮は昨季ドラフト2位でヤクルト入り。風張も小学時代は一緒にスポーツ少年団で野球をしていたが、「チーム競技は苦手」と砲丸投げを選び、自力で記録が伸びていくことにやりがいを感じた。「先に全国で活躍したので、自分もと思っていました」と4歳上の兄を追う。

 身長185センチの蓮に対して172センチと小柄だが、体重は110キロと負けていない。昨季まで無名の存在だったが、砲丸を押し出す瞬発力と筋力を同時に鍛えて記録更新につなげた。2投目から16メートル30台を連発させて今後につながる感覚をつかんだ。4、5投目は追われる重圧にファウルも犯した。すべてが経験。「どうしても野球投げが入ってしまう。今日の経験を生かして記録を伸ばしたい」と意気込みを見せた。【佐々木雄高】

 ◆風張鼓太郎(かざはり・こたろう)1997年(平9)6月27日、岩手県九戸村生まれ。長興寺小2から野球、相撲、陸上(ソフトボール投げ)と多彩なスポーツをこなす。相撲は九戸中2年時に東北大会5位(無差別級)。同時に砲丸投げも本格的に始め、3年時の県中学通信陸上で優勝。東北大会9位。家族は祖母、両親、兄2人。172センチ、110キロ。血液型B。