来年のリオデジャネイロ五輪出場を目指す最強市民ランナー、川内優輝(28=埼玉県庁)が男子20キロにゲストとして出場し、1時間57秒のトップでゴールした。レース後、リオ五輪選考レースの1つ、福岡国際マラソン(12月6日)に出場することを明言。11月1日のニューヨークシティーマラソン、同月15日の上尾シティマラソンでハーフを走って調整し、福岡で五輪切符獲得に挑む。

 川内が決断した。リオ五輪切符を狙う選考レースは12月の福岡国際か、来年3月のびわ湖毎日か-。これまで候補を2つ挙げていたが、福岡に絞ったことを初めて明かした。

 「4年前(のロンドン五輪)は出られなかったので、今回はびびらずにいく。自分は限りなく際どい位置にいるから、あと2カ月できっちり仕上げたい。福岡では日本人1位とは言わず、いけるところまで優勝を狙っていく」

 年内のレースに決めた理由の1つは、復活の手応えを得たからだ。昨年12月の防府マラソンで優勝も、ハムストリングスとふくらはぎを負傷。その後も納得のいく結果は残せなかったが、2カ月前から復調を実感。「練習も好調時の8割5分までできるようになった」と話した。

 この日は気温23度の暑さも影響し、目標の60分切りはならなかったが、「先頭集団についていき、ラストをしっかり上げよう」という誓いは守った。5人の集団で4周目に入った15・5キロ地点、「軽くスピードを上げたら誰もついてこなかった」。そして、ゴール前では「何とか61分は切ろう」とスパートする力も見せた。「最後の5キロが最も速く、いいレースだった」と振り返った。

 今後はニューヨークシティーマラソンとハーフマラソンを経て、福岡に挑む。「ニューヨークでは最低でもトップ10入りする。できれば昨年の今井さん(正人、31=トヨタ自動車九州)の7位を上回りたい」。リオへの青写真を描き始めた。