引退まで4年しかない!? 青学大の箱根駅伝2連覇に貢献した神野大地主将(4年)が、20年東京五輪のマラソンでメダル獲得後の早期引退を口にした。7日、都内の青山キャンパスでの優勝報告会に出席。4月から実業団に進む陸上人生の今後を問われ、「長くやるつもりはない」と明言した。「3代目・山の神」として大学駅伝を沸かせた22歳が、今度はマラソンでの主役の座を狙う。

 太く短く-。細身の神野から、至極明快な目標設定が明かされた。「競技人生を長くやるつもりはないです。才能を全部出し切って、メダルで引退したい」。照準を合わせるのはわずか4年後の東京五輪。その時、まだ26歳。まだ1度もマラソンに挑戦したことがないランナーとしては、早すぎる気もするが…。「東京五輪でメダルを」と話す口調はよどみなかった。

 マラソンは経験が重要だというのは、日本陸上界の通説。キャリアを重ねて自己ベストを出す。「山の神」つながりならば今井正人が記憶に新しい。10戦目のフルマラソンだった15年東京マラソンで、30歳にして日本歴代6位の2時間7分39秒で走った。昨年12月の福岡国際マラソンでは、30歳の佐々木悟が日本人最高の3位で、リオデジャネイロ五輪候補選手となった。

 500人以上、それも多くが女子の黄色い声が響いた報告会では、「山だけじゃないところをみせたい!」と宣言した。世界のレベルも鑑みれば、将来計画はやや早計にも思えるが、「1年目は駅伝で、2年目からはマラソン」と今春の卒業後に進むコニカミノルタでの身の振り方も決めている。「別物と考えているので、片方に絞る」とした。

 引退後は指導者になりたい。「人生を変えてくれた」という箱根駅伝では、人一倍速く箱根の頂へと駆け上がった。「去年よりも僕を見かけた人の興奮が大きい」と知名度の上昇も実感する。これから駆け上がるのは、日本、そして世界のマラソン界。誰よりも速く、誰よりも短く、競技人生を全うしてみせる。【阿部健吾】