優勝したエチオピア出身のメラク・アベラ(21=黒崎播磨)は「日本大好き。これで、もう少し日本にいられる」と笑顔を見せた。ケニア、エチオピアなどの海外招待選手とトップ集団で走り、35キロ過ぎにスパートして独走。走りながらテレビカメラに向かって投げキスをし、日本語で話しかけた。「コーチやチームメートに、ありがとうと言ったんだ」と説明。それほど北九州市の黒崎播磨陸上部が好きだった。

 4年前に来日して入社、駅伝の「助っ人」として活躍が期待されたが、ニューイヤー駅伝などで満足な成績が残せなかった。3月には契約切れで故郷エチオピアに帰る予定だったが、初マラソンの優勝で急転。会社側との1年間の契約延長が決まった。「チームで走ることが続けられて、本当に幸せ。好きな日本にいられて、うれしい」。今後も日本でチームのために走り続けることを誓っていた。