青学大の原晋監督(48)が2月29日、教え子で2年生の下田裕太(19)のリオデジャネイロ五輪出場をあらためて懇願した。下田は前日の東京マラソンで10代日本最高記録で10位、日本人2位に入った。最終選考レースとなる6日のびわ湖毎日マラソンで好記録が出なかった場合を前提に、原監督は「そこで2時間8分台が3、4人出るならしょうがない。しかし、出ないなら考えてほしい。9分台から11分台までは天候条件で変わる範囲内です。それなら、若手を選んでほしい」と述べた。

 福岡国際と東京を終え、候補6人で8分台は佐々木のみ。世界とは戦えない。ならば、20年東京五輪を見据え、若い力に経験させる戦略もある。レース後の会見で日本陸連の酒井強化副委員長は、記録が低調なら3枠を使用しない可能性も示した。同監督は「自ら2枠にしてはいけない。世界選手権なら、カンフル剤になりますが…」とも訴えた。

 下田本人も心境の変化がある。レース後は「リオは考えていなかった」と述べていたが、周囲からの期待の声も届いた。「できるだけ早く五輪に出たい。自覚が湧いてきた」と前向き。「2枠にするくらいなら僕を出してほしい」とした。

 選考要件には将来性は含まないとするが…。びわ湖毎日の結果では、議論となりそうだ。【阿部健吾】