福士側が最終選考レース出場回避を決めた。大阪国際から約1カ月半でのマラソン再挑戦は負担が大きく、五輪代表に選ばれても本番への悪影響が懸念されただけに妥当な決断と言える。欠場を要望していた日本陸連の麻場一徳強化委員長は「歓迎している」と胸をなで下ろした。

 現時点でただ一人日本陸連の設定記録を突破し、独走で優勝したという結果は、これ以上ないアピールだった。所属先には福士の体を心配する声も多数寄せられたそうで、永山監督は「そういう声にも耳を傾けた」と言い、2月29日に大会側に欠場を伝えた。

 永山監督は日本陸連の代表入りの確約がないことから名古屋出場を打ち出した。選考基準上「確定」が出ないことは明白だったが、選考会で「満点」と言える結果を出しても、安心できない現行方式の矛盾を指摘する声は根強い。福士側の行動は代表選考のあり方に、一石を投じた形だ。

 麻場強化委員長は「選考会が全部終わった時に振り返らないといけない」と話した。4年後に東京五輪を控え、今回の経験をどう生かすかが課題となる。