女子マラソンの2004年アテネ五輪金メダリストで日本記録保持者の野口みずき(37=シスメックス)が15日、会見を開き現役引退を表明した。

 03年パリ世界選手権で銀メダル。04年アテネ五輪ではシドニー五輪の高橋尚子に続く日本勢連覇を果たし、05年のベルリンマラソンで2時間19分12秒の日本新記録を樹立した。

 だが2連覇が期待された08年北京五輪を直前の故障で欠場。その後もけがに泣き、13年モスクワ世界選手権に出場したが途中棄権するなど苦しんだ。23位に終わり、リオデジャネイロ五輪代表を逃した今年3月の名古屋ウィメンズが最後のレースとなった。

 野口の栄光と苦闘を写真で振り返ります。

 

03年パリ世界選手権で銀メダル

日本女子トップの2位に入り翌年のアテネ五輪代表内定

世界陸上パリ大会・女子マラソン 表彰式で 笑顔を見せる(左から)銀の野口みずき、金のヌデレバ、銅の千葉真子(共同)(写真は2003年8月31日)
世界陸上パリ大会・女子マラソン 表彰式で 笑顔を見せる(左から)銀の野口みずき、金のヌデレバ、銅の千葉真子(共同)(写真は2003年8月31日)

 

04年アテネ五輪で金メダル

30キロ付近から独走態勢に。2時間26分20秒で優勝。日本に2大会連続で女子マラソン金メダルをもたらした

アテネ五輪・女子マラソン 20キロ付近の上り坂を通過する(左から)土佐礼子、(2人おいて)坂本直子、野口みずき(共同)(写真は2004年8月22日)
アテネ五輪・女子マラソン 20キロ付近の上り坂を通過する(左から)土佐礼子、(2人おいて)坂本直子、野口みずき(共同)(写真は2004年8月22日)
アテネ五輪・女子マラソン アテネ市内に入り、沿道の声援を受けて力走する野口みずき(共同)(写真は2004年8月22日)
アテネ五輪・女子マラソン アテネ市内に入り、沿道の声援を受けて力走する野口みずき(共同)(写真は2004年8月22日)
アテネ五輪女子マラソン 左手で1番を示しゴールする金メダルを獲得した野口(撮影・宇治久裕)(写真は2004年8月22日)
アテネ五輪女子マラソン 左手で1番を示しゴールする金メダルを獲得した野口(撮影・宇治久裕)(写真は2004年8月22日)
アテネ五輪・女子マラソン ゴール後、シューズに口づけをする金メダルの野口みずき(共同)(写真は2004年8月22日)
アテネ五輪・女子マラソン ゴール後、シューズに口づけをする金メダルの野口みずき(共同)(写真は2004年8月22日)

 

05年ベルリンマラソンで金メダル

日本新記録となる2時間19分12秒で優勝

ベルリンマラソン 野口みずきが日本新記録の2時間19分12秒で優勝。表彰台で観客の声援に応える(共同)(写真は2005年9月25日)
ベルリンマラソン 野口みずきが日本新記録の2時間19分12秒で優勝。表彰台で観客の声援に応える(共同)(写真は2005年9月25日)

 

グローバリーからシスメックスへ移籍

野口みずきシスメックス移籍会見 移籍先が決まり記念写真に納まる野口みずき(左)と藤田信之監督(撮影・栗木一考)(写真は2005年12月1日)
野口みずきシスメックス移籍会見 移籍先が決まり記念写真に納まる野口みずき(左)と藤田信之監督(撮影・栗木一考)(写真は2005年12月1日)

 

北京五輪代表入りも…

北京五輪の女子マラソン代表に正式決定し、一番ポーズを見せる野口みずき。左は藤田信之監督(撮影・上田博志)(写真は2008年3月10日)
北京五輪の女子マラソン代表に正式決定し、一番ポーズを見せる野口みずき。左は藤田信之監督(撮影・上田博志)(写真は2008年3月10日)
記者会見で足の筋肉の図を示し、北京五輪女子マラソン代表・野口みずきが痛めた部分を説明する藤田信之監督(右)と日本陸連の沢木啓祐専務理事(撮影・築山幸雄)(写真は2008年8月10日)
記者会見で足の筋肉の図を示し、北京五輪女子マラソン代表・野口みずきが痛めた部分を説明する藤田信之監督(右)と日本陸連の沢木啓祐専務理事(撮影・築山幸雄)(写真は2008年8月10日)
JR大阪駅前で野口みずきの北京五輪欠場を伝える号外を読む女性(共同)(写真は2008年8月12日)
JR大阪駅前で野口みずきの北京五輪欠場を伝える号外を読む女性(共同)(写真は2008年8月12日)

《アテネV野口みずきが北京五輪欠場

 

13年モスクワ世界選手権出場も途中棄権

相次ぐ故障と戦いながら、10年ぶりに世界選手権代表の座をつかむも33キロ付近で太ももを痛め無念の途中棄権

第14回世界陸上モスクワ大会・第1日女子マラソン 15キロ地点で赤の広場・聖ワシーリー寺院の前を通過する野口みずき(撮影・清水貴仁)(写真は2013年8月10日)
第14回世界陸上モスクワ大会・第1日女子マラソン 15キロ地点で赤の広場・聖ワシーリー寺院の前を通過する野口みずき(撮影・清水貴仁)(写真は2013年8月10日)

 

16年名古屋ウィメンズ23位

「最後の五輪挑戦」にかけたが2時間33分54秒の記録に終わる

名古屋ウィメンズマラソン ゴール直前、観客の声援に顔を覆う野口みずき(撮影・今中雄樹)(写真は2016年3月13日)
名古屋ウィメンズマラソン ゴール直前、観客の声援に顔を覆う野口みずき(撮影・今中雄樹)(写真は2016年3月13日)

《野口みずき23位、引退へ「花道のように感じた」


 

プロフィル

◆野口(のぐち)みずき 1978年(昭53)7月3日、三重県伊勢市生まれ。中1で陸上を始め宇治山田商高-ワコール-グローバリー-シスメックス。03年世界選手権パリ大会銀、04年アテネ五輪金。05年9月のベルリンで日本記録2時間19分12秒をマーク。08年北京五輪は直前の故障で欠場、13年世界選手権モスクワ大会は途中棄権。151センチ、40キロ。