スポーツ仲裁裁判所(CAS)は14日、陸上の2005年世界選手権女子800メートルで3位に入ったタチアナ・アンドリアノワ(ロシア)が昨年8月の再検査で筋肉増強作用のあるスタノゾロールに陽性反応を示して2年間の資格停止となった問題で、選手側の訴えを認めて処分を取り消す裁定を下した。検体の保存期間が過ぎており、再検査の結果が無効とされた。

 15年1月から世界反ドーピング機関(WADA)の新たな統一コード(規定)で保存期間は当初の8年から10年に延びた。05年8月に検体を採取された同選手は約10年後の再検査で処分を科されたが、新たな規定が導入される以前に8年の保存期間が切れていたため、10年の保存期間は適用できないと判断された。