IAAF(国際陸連)ワールドチャレンジ第3戦「セイコーゴールデングランプリ陸上2016川崎」が5月8日、等々力陸上競技場で開催される。世界からトップアスリートが集結。男子100メートルは昨夏の世界選手権北京大会で銀メダルを獲得したジャスティン・ガトリン(34=米国)、自己ベスト10秒00の張培萌(29=中国)が参戦する。今大会はリオデジャネイロ五輪(8月)の日本代表選考会も兼ねており、国内選手たちにも注目が集まる。

 ガトリンが、セイコーゴールデングランプリに帰ってくる。国立競技場で最後の開催となった14年にも同種目に出場。向かい風3・5メートルで10秒02。悪条件をものともせず、パワフルな走りで優勝した。同じく出場した桐生に0秒44の大差をつけて、04年アテネ五輪金メダリストの実力を見せつけた。そんな男が再び日本のファンの前で、世界トップの走りを披露する。

 34歳にして、走りに磨きがかかっている。昨年には自己ベスト9秒74をマーク。絶好調で臨んだ同8月の世界選手権決勝では世界記録保持者ウサイン・ボルト(29=ジャマイカ)に対して、ラスト5メートルまで先行。会場中に「ボルト神話崩壊」のムードを漂わせた。最後に体のバランスを崩して逆転されたが、わずか100分の1秒差(9秒80)で銀メダル。「ここ(微差の2位)にいることを誇りに思う」と胸を張った。「打倒ボルト」の1番手に名前が挙がるスプリンターだ。

 今大会は、リオ五輪の日本代表選考会も兼ねている。同100メートルには桐生、サニブラウン、山県らも出場する。リオを目指す国内選手たちの前で、ガトリンが五輪メダリストのスプリントをさく裂させる。