陸上のダイヤモンドリーグ第5戦のゴールデンガラが2日、ローマのスタジオオリンピコで開催される。

 女子5000メートルのアルマズ・アヤナ(24=エチオピア)や男子走り高跳びのムタス・エッサ・バルシム(24=カタール)とボーダン・ボンダレンコ(26=ウクライナ)、男子3000メートル障害のコンシスラス・キプルト(21=ケニア)とジェイラス・ビレチ(23=ケニア)らに、世界記録に迫るパフォーマンスが期待できる。

 世界新記録が最も期待できるのは女子5000メートルのアヤナだろう。先月22日のダイヤモンドリーグ・ラバト大会優勝時にマークした14分16秒31は、世界記録(14分11秒15)に約5秒と迫るタイム。フィニッシュ後に「今シーズン中に世界記録は破れると思う」と話している。気象コンディションがよければ必ず狙ってくる。

 男子走り高跳びのバルシムは2メートル43の世界歴代2位を、ボンダレンコは2メートル42の歴代3位を持つ。ボンダレンコが世界陸上に優勝した2013年以降、ダイヤモンドリーグで“ツートップ”が競り合ってバーを上げ、2メートル45の世界記録に挑戦するシーンが何度も見られるようになった。

 だが昨年は、バルシムは2メートル41を跳んだものの、ボンダレンコのシーズンベストが2メートル37にとどまった。

 そこに台頭してきたのがジャンマルコ・タンベリ(23=イタリア)だ。今年2月の室内競技会で2メートル38を跳び、3月の世界室内ではバルシムらを抑えて優勝。

 父親も1980年モスクワ五輪に出場した走り高跳び選手で、現在も父親の指導を受けている。地元選手として2メートル40台のクリアと、打倒“ツートップ”の期待がかけられている。

 もう1人“地元選手”が出場する。女子棒高跳びのファビアナ・ムレル(35=ブラジル)で、8月のリオ五輪では陸上競技の数少ない地元金メダル候補として期待を集める選手だ。

 昨年の北京世界陸上は銀メダルで、2011年の世界陸上で優勝したこともある息の長い選手。自己記録の4メートル85は世界歴代5位だが、その高さを3試合で跳んでいる安定性は大試合で武器となる。

 北京世界陸上金メダルのヤリスレイ・シルヴァ(28=キューバ)、銅メダルのニコリータ・キリアコプールー(30=ギリシャ)と、メダリストが揃う今大会をリオ五輪の予行演習に見立てて戦う。

◆ダイヤモンドリーグはIAAF(国際陸上競技連盟)が主催する最高カテゴリーの競技会シリーズ。今季はドーハ大会を皮切りに9月のブリュッセル大会まで全14戦が開催される。各大会の種目別優勝賞金は1万ドル(2位6000ドル~8位1000ドル)。各種目は年間7大会で実施され、各大会のポイント(1位10点~6位1点)合計で争われる年間優勝者には4万ドルとダイヤモンド入りトロフィーが贈呈される。出場者はトップ選手に厳選され、ほとんどの種目が予選なしの一発決勝。緊張感あるレースが次々に行われる。また、オリンピックや世界陸上のように1国3人という出場人数の制限がない。ジャマイカ、アメリカ勢が揃う短距離種目や、アフリカ勢が多数出場する中・長距離種目などは、オリンピックや世界陸上よりも激しい戦いになる。