リオデジャネイロ五輪の男子400メートルリレー銀メダルメンバー桐生祥秀(20=東洋大)が、3冠を達成した。3日の100メートルに続き、まず200メートルで2年ぶりの優勝を果たした。

 向かい風0・3メートルの準決勝は20秒92で全体のトップ通過。向かい風0・1メートルの決勝は、きれいなコーナリングでトップに立って独走。最後は少し力を抜くようにゴールして、20秒60でV。100メートルとの2冠を達成。ゴール後はトラックの隅に座り込んで「心肺機能も落ちてますね」と肩で息をした。「100、200で負けられないと思った。3日間いろいろ走って優勝できた。今後は練習して、これぐらいでへばらないようにしたい」と笑顔を見せた。

 歴史的銀メダルからわずか2週間。3日間で8レースを消化した。しかしその後に意外な展開が待っていた。土江コーチがスパイクを脱いでいる桐生に近寄って、何やらひそひそ…。桐生は天を仰いで「うわー、きたかー!」と大声を上げた。午後3時20分からの男子1600メートルリレー決勝に急きょ参戦した。

 同リレー出場は4年ぶり、400メートルを走るのは3年ぶり。3日間で9レース目となった最後の1本は2走を務めて、最後の直線ではがむしゃらに手足を動かした。「必死すぎて…。レースプランとかわからなかった。太ももが1・5倍ぐらいに張ってます」と息も絶え絶え。桐生の奮闘もあって、東洋大は3分5秒48で同種目初優勝。「他のメンバーに感謝しています。3冠をとらせてもらって、うれしいです」と喜んでいた。