陸上男子短距離のサニブラウン・ハキーム(17=東京・城西高3年)が、練習拠点を海外に移す可能性が高いことが7日、分かった。この日までに国内強豪大学の推薦入試申込期間がほぼ終了。サニブラウンは国内の大学を受験せずに、海外での大学進学が濃厚になった。

 行き先は米国が有力だ。17歳はガーナ人の父と日本人の母を持ち、通訳なしで英語のインタビューに応じられる。継続的に語学を学ぶ必要はあるが、米国での生活に大きな支障はない。

 サニブラウンは、15年夏の世界選手権北京大会男子200メートルで準決勝進出。同年には国際陸連の最優秀新人賞を日本で初めて受賞した。海外メディアからはボルト引退後の東京五輪で、男子100メートルの金メダル候補の1人と目されている。個人種目はもちろん、金を狙う日本の男子400メートルリレーでも大きな戦力だ。

 リオ五輪はけがで出場を逃したが、将来性は無限大だ。10月には日本スポーツ振興センターによる、東京五輪に向けて若手有望選手を海外で集中的に強化する新事業の対象にも選ばれている。日本の短距離界で高校卒業後に海外に拠点を移すことは異例。規格外の17歳が4年後に向けてパイオニアとして新天地を目指す。

 ◆サニブラウン・ハキーム 1999年(平11)3月6日、福岡県生まれ。ガーナ人の父と日本人の母を持ち、小学3年で陸上を始める。昨年は世界ユース選手権短距離2冠、世界選手権北京大会200メートルで準決勝進出。自己ベストは100メートルが10秒22、200メートルは20秒34。187センチ、74キロ。