大雪の都大路にスーパー女子高生が誕生した。長崎の4区(4キロ)を走った広中璃梨佳(りりか、16=長崎商1年)が12位から11人抜きで首位へと押し上げ、12分47秒で区間賞を獲得した。実業団や大学の格上23選手がエントリーした区間で、高校1年生が12年ロンドン五輪女子マラソン代表木崎良子(ダイハツ)が持つ区間記録に7秒差に迫る快走。長崎の4位入賞の原動力となった。京都が3年ぶりの栄冠に輝き、最多の優勝回数を16に伸ばした。

 視界を遮る大雪も、広中には関係なかった。前年に区間賞を獲得した中学生区間(3区)を卒業し、年下のいない4区での挑戦。首位と38秒差を時計で確認し「少しでも近づこう」。先を行く11人のうち、8人は大学、実業団の選手だった。体力的には圧倒的に不利なはずだが「特に何も考えていない」という力強い腕振りで、先輩たちを次々とのみ込む。残り1キロで神奈川の出水田(立大)に追いつき、500メートルで首位へ。「(4区で)勝てたのがすごくうれしかった」と照れくさそうに分析した。

 昨年8月の高校総体では3000メートルで5位入賞。それでも「まずはインターハイに出ることが目標」と言う。20年東京五輪の新星は、自分のペースで高みを目指す。

 ◆広中璃梨佳(ひろなか・りりか)2000年(平12)11月24日、長崎市生まれ。桜が原中で本格的に陸上を開始。3年時には全国中学総体女子800メートルで6位入賞。同年度の都道府県対抗女子駅伝で3区(3キロ)区間賞。武器は「最後での粘り強さ」。163センチ、46キロ。