静岡県代表は2時間20分51秒で5位に入り、2年連続の入賞を果たした。9位でタスキを受けた5区の小野寺悠(加藤学園3年)が4人抜きでチームは5位に浮上。この流れを受け、箱根駅伝3連覇に貢献した最終7区の下田裕太(青学大3年)が、5位でゴールした。

 みぞれが降る寒空の下、下田が両手を広げてゴールに飛び込んだ。タイムを確認し、悔しそうな表情を見せたが、チームメートに迎えられてほおを緩めた。「女子が(15日の都道府県対抗女子駅伝で)6位だったので、それよりいい位置でと思っていました。ただ、少し守りの走りになってしまいましたね」。本人は反省したが、2月26日の東京マラソンに備え、長距離練習を重ねる中で区間9位と堅実な走りを見せた。

 昨年は初の箱根駅伝8区の区間賞、東京マラソンでは10代日本最高記録(2時間11分34秒)で総合10位、今年の箱根でも8区で2年連続区間賞と、全国区有名ランナーになった下田だが、郷里への思いは強い。「お世話になった静岡に声を掛けてもらい、すぐに『やります』となりました。後輩も頑張ってくれたし、とても楽しかったです」。

 身近なエース下田の存在に、中高生も刺激を受けた。1区池田耀平(島田3年)が区間10位、2区鈴木芽吹(泉中3年)も区間8位で流れを作ると、5区小野寺が区間5位の力走で順位を9位から5位へ押し上げた。小山中-加藤学園と下田と同じ道を歩んできたが、春から帝京大に進学。その前に憧れの先輩とチームメートになれたことが収穫だった。「大学の練習の話を聞いて刺激になりました。箱根を目指して、いつか下田さんに追いつけるように頑張ります」。

 県代表は昨年の4位に続く2年連続の入賞。来年は3位だった第1回以来の表彰台を目指すべく、各自が精進する。【鈴木正章】