世界選手権代表経験のある「ママさんランナー」小崎まり(41=ノーリツ)は少し弱気だった。

 8月の世界選手権ロンドン大会の代表選考を兼ねた大阪国際女子マラソン(ヤンマースタジアム長居発着)を翌日に控えた28日、大阪市内で最終調整。「ゴールするのが目標」と語った。

 「25日の水曜日」に悪夢が襲った。午前中の練習で右ふくらはぎを痛め、午後からは39・9度の高熱を発症。インフルエンザではなかったが、この日も鼻声で「体調も足もよくないですけど、何とかスタートラインに立てるようにしたいです」。昨年4月のパリでは2時間32分46秒で自己最高の6位。大阪国際では当初、2時間30分切りを目標にしていたが、状態が万全でないだけに控えめだった。

 スライドする選択肢もある中、出場する。理由を「決めたレースを走らないのは、本当の競技者ではないと思うので」と説明。世界選手権には01年に1万メートルで、05、07年にはマラソンで出場。1児の母で、子育てと両立しながら、現役を続けている。「40歳でも競技をやっているからこそ深く知れる。自分自身もやっているからこそ、過去でなく、今の話をすることができる」と話した。