16年リオデジャネイロ五輪男子50キロ競歩銅メダリストの荒井広宙(28=自衛隊)が五輪後初レースに臨み、1時間19分25秒の自己ベストで5位に入った。

 調整の照準は4月に行われる50キロの日本選手権輪島大会(石川)。そこで8月の世界選手権(ロンドン)代表切符をつかむため、この日はトレーニングの一環で出場した。

 五輪後はメディアやイベントへの出演、あいさつ回りが続き1~2カ月間、トレーニングを休むことが多かった。それでも自己記録の歩きで順調ぶりを示し「イベントで疲れた時には、それでも練習をするのではなく、休んだり、メリハリをつけられたのが良かった」。多忙な日々を前向きに捉え、スピード強化を意識したレースで納得の表情を見せた。

 日本競歩界初のメダルがもたらす好影響は、荒井が一番実感している。「いろいろな人に声をかけてもらうことが多くなった。『あのぶつかった人でしょ』って言われます」とリオ五輪で話題になった3着争いでの接触にも言及。今夏の世界選手権を足がかりに「コンスタントにメダルを取っていける選手になりたい」と目標を掲げた。