日本陸連の瀬古利彦長距離・マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(60)はレース後の会見で、2時間8分22秒で日本人最上位の8位に入り、8月の世界選手権(ロンドン)の代表を決定的にした井上大仁(ひろと、24=MHPS)について「若さもある。3年後のオリンピックにも近づいた」と語った。

 10キロ通過が29分13秒。高速コースになり、飛ばす外国勢に序盤から食らい付いての2時間8分台に「価値が高い」と評価した。

 さらに瀬古氏が絶賛したのが、初マラソンだった設楽悠太(25=ホンダ)。25キロすぎまで日本記録を超えるペースで飛ばし、後半失速するも、2時間9分46秒にまとめた。88年ソウル五輪、92年バルセロナ五輪と2大会連続4位になった中山竹通氏(57)の現役時代に重ね合わせ「マラソン能力が高いと感じさせた」。日本人3位でロンドンの世界選手権の切符は絶望的だが、将来の可能性を感じさせる走りで「(初マラソンで)いろんなことを学んだと思う。思い切り行くのが彼のやり方で、真骨頂。大記録が出る時はあのくらいでいって持ちこたえる」と話した。