今大会から世界記録を狙えるコースとなり男女とも国内最高記録を塗り替えた東京マラソンは、今後はベルリンなどと並ぶ高速レースとして、世界から注目が注がれそうだ。そして低迷する日本男子マラソンを変えるかもしれない。

 2時間2分50秒を目標に掲げていたキプサングは、世界記録(2時間2分57秒)の更新こそできなかったが、国内レース初の2時間3分台を出し、従来の記録を1分20秒更新。30キロすぎまでは世界記録ペースで爆走し、日本勢は肌で世界トップとの差を感じられた。早野レースディレクターは「ショック療法のような」とも言う。同氏が24日の会見でキプサングと日本勢を同じ壇上に並ばせたのも世界に「出る」ではなく「戦う」ことに目を向けてもらうためのメッセージだ。

 後半のアップダウンが減り、平たんな高速コース。設楽も25キロすぎまで日本記録を超える超ハイペースで飛ばした。世界と戦うため、果敢にチャレンジできる舞台にもなった。