レースに喝! 日本陸連の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダー(60)が、辛口と嘆きのコメントを連発した。最後の世界選手権(8月、ロンドン)選考レースは気象的に好条件ながら、日本勢は佐々木悟(31=旭化成)の2時間10分10秒の4位が最高と不調に終わった。「厳しい」「ショック」「裏切られた」とぼやき、原因究明のため今月中の“反省会”実施プランもぶち上げた。

 強烈な瀬古節がレース後の会見冒頭から全開だった。井上、設楽が外国勢のハイペースに序盤で食らい付き、好記録を出した東京から1週間。いいイメージが残っていただけに、世界選手権の最後の選考レース、びわ湖毎日も期待していた。しかし、結果は日本人最高がリオ五輪代表の佐々木の2時間10分10秒。佐々木も22キロ付近で先頭集団から脱落し、世界と渡り合える内容ではなかった。きっぱり言った。

 「2時間7分、8分の記録が出るんじゃないかという気持ちでいましたけど、我々の期待する走りではなかった。(佐々木は)リオのリベンジをした走りでなかったのはさみしい。喝という感じですね」

 もちろん佐々木の個人攻撃ではない。低調だった男子マラソン陣に対して、喝を食らわせた。20年東京五輪は気温30度を超える猛暑のレースが予想される。過酷な環境でも耐えられるスタミナが必要。この日の気温は11~12度、風も弱かった。絶好のコンディションなのに、2時間10分すら切れなかった。瀬古氏は失望感を隠そうとしなかった。

 「これで走れなかったら厳しいですよね。(理由は)俺にも分からないよ。気持ち的に8分台が2人ぐらい出ると思っていたから、ショックが大きくて…裏切られたような感じ。(TBS系列番組の)『サンデーモーニング』なら大喝ですね」

 報道陣に「皆さんどう思った?」と逆質問し、若手の選手や監督に「何で走れなかったか聞きたい」と今月中に“反省会”を開催する案もぶち上げた。独演会ムードで会見は幕を閉じた。【上田悠太】