日本陸連は17日、世界選手権(ロンドン、8月4日開幕)のマラソン代表6人を発表した。都内で行われた会見に出席した女子の安藤友香(23=スズキ浜松AC)は低迷するマラソン界復活の旗印になる覚悟を示した。初マラソンの名古屋ウィメンズで日本歴代4位となる2時間21分36秒で走ったシンデレラガールは、世界選手権でも「メダルを意識したい」と語り、先頭集団で勝負していく。

 あどけなさが残る表情と裏腹に、言葉は力強かった。世界選手権の代表発表会見に選手では唯一、出席。80人以上の報道陣の前で、安藤は「メダルも意識して、挑戦する気持ちで走りたい」と意気込んだ。

 選考レースと違い、本番はペースメーカーはいない。外国勢との駆け引きは増え、ペース変動も激しい。それでも「初めから先頭集団についていきたい。積極的なレースをしたい。景色を楽しみながら、走れれば余裕も生まれるのかな」と語った。イメージするのは、リオ五輪銀メダルのキルワ(バーレーン)に必死で付き、日本歴代4位、初マラソン日本記録を出した12日の名古屋ウィメンズと同じ展開。最後まで粘った先にメダルを見据える。

 女子マラソン復活を引っ張る覚悟がある。日本勢は13年の世界選手権モスクワ大会で福士加代子が銅メダルを獲得したが、15年世界選手権北京大会、16年リオ五輪でメダルはなかった。

 安藤 リオ五輪の後、日本の女子マラソンは低迷していると言われた。自分が飛び出して、引っ張っていけたらいい。

 00年シドニー五輪で金メダルを獲得した高橋尚子の走りは今も鮮明に覚えている。陸上に興味を持つきっかけにもなった。憧れの先輩のように、次は自分が目標とされる立場を目指す。

 前日16日は23歳の誕生日だった。岐阜の実家で家族と過ごしながら「1日1日の積み重ねを頑張ろう」と誓いを立てた。今後は暑さ対策にも重点を置く。初マラソンで日本に衝撃を与えたシンデレラガール。次は世界を驚かす。【上田悠太】