ボストンマラソンで3位に入った大迫傑(25=ナイキ・オレゴンプロジェクト)が20日、短期休養のため羽田空港着の航空機で帰国した。

 表彰台は瀬古利彦以来、30年ぶりとなる快挙だった。それを初マラソンで達成した。3000メートルと5000メートルの日本記録保持者は「5、6位を狙っていた。3位はうれしい。予想以上の結果。30~35キロの壁はなかった。いいイメージで終われた」と笑顔で振り返った。2時間10分28秒だったが、リオ五輪銅メダルのラップ(米国)と30秒差。タイム以上に価値ある内容だった。「ペースの上げ下げがあったのですが、あえて対応せず自分のレースを刻めたのがよかった」。レースは気温20度を超えていた。20年東京五輪で活躍するためには必須となる暑さへの強さも証明。「給水もしっかりしていた。暑さは気にならなかった」と頼もしかった。

 東京五輪はマラソンでの出場を目指している。19年9月以降に開催される「グランドチャンピオンレース」で代表3人のうち2人を決める東京五輪の選考方針も「僕には合っている。違和感なくやれる」と言う。今まで主戦場としてきたトラック種目では日本選手権を制し、参加標準記録を切れば、五輪や世界選手権に内定した。“一発勝負”の心得なら知っている。

 これから約2週間は国内で休養に入る。うなぎ、焼き肉、すしなど「おいしいものが食べたい」と笑顔。その後は活動拠点の米オレゴン州に戻り、1万メートルで出場予定の6月の日本選手権に備える。次の目標はひとまず8月の世界選手権(ロンドン)出場となる。