陸上の飯塚翔太(25=ミズノ)はIAAF(国際陸連)ワールドチャレンジ第2戦「セイコーゴールデングランプリ陸上2017川崎」(21日・等々力陸上競技場)の男子200メートルに出場し、まずは世界選手権(8月・ロンドン)の参加標準記録20秒44切りを狙う。「参加標準記録を切って優勝したい」と意気込む。

 陸上界の盛り上がりを強く願う「お祭り男」だ。リオデジャネイロ五輪の400メートルリレー。その入場シーンで見せた侍ポーズ。緊張しそうな場面で、あえてパフォーマンスを披露することでリラックスに成功した。世の中に広まった侍ポーズを提案したのは、飯塚だった。

 20秒50で2位だった今月3日の静岡国際でもファンを大切にする姿があった。レース30分前、ウオーミングアップを終えてサブトラックから競技場へ向かった。その道中。柵の両側には大勢の小学生が目を輝かせて「サインください」「握手お願いします」と叫んでいた。集中するため、レース前はファンサービスを控えるのが一般的だが、長い腕を目いっぱい伸ばして、集まった約100人全員とハイタッチして、競技場に入った。集合時間が迫り、サインや写真撮影こそできなかったが、少しでも多くの子供に陸上に興味を持って欲しいとの思いが込められた最大限のファンサービスがあった。

 昨年は20秒40の2着だった川崎の舞台。今年こそ頂点に立ち、走りでファンを魅了する。