陸上のダイヤモンドリーグ第3戦のプレフォンテイン・クラシックが26・27日の両日、米国ユージーンで行われる。男子5000メートルのモハメッド・ファラー(34=英国)、女子800メートルのカスター・セメンヤ(26=南アフリカ)ら14種目にリオ五輪金メダリストがエントリーする豪華メンバーの大会になった。また、女子5000メートルでは1500メートル世界記録保持者のゲンゼベ・ディババ(26=エチオピア)が、姉のティルネシュ・ディババ(31=エチオピア)の持つ世界記録に挑戦する。

 8種目にリオ五輪メダリスト全員が出場する。

 そのうちの1つ、女子200メートルの最大の見どころはリオ五輪金メダルのエレイン・トンプソン(24=ジャマイカ)と、銀メダルのダフネ・シュキッパーズ(24=オランダ)の対決だ。2年前の北京世界陸上ではシュキッパーズが金メダルでトンプソンが銀メダルと、この2年間の五輪&世界陸上では1勝1敗のタイ。

 リオ五輪では100メートルにも優勝するなど序盤からリードできるタイプのトンプソンに対し、中盤から後半で強さを発揮するシュキッパーズ。短距離王国ジャマイカで育ったトンプソンに対し、シュキッパーズは元七種競技選手(13年モスクワ世界陸上銅メダル)と、多くの点で対照的な2人の決戦となる。

 銅メダルのトーリ・ボウィー(26=米国)を加えたリオ五輪メダリスト3人だけでなく、2年前の世界陸上のアリソン・フェリックス(31=米国)、リオ五輪のショーン・ミラー(23=バハマ)と400メートル金メダリスト2人も出場する。フェリックスは200メートルでも五輪&世界陸上で4個の金メダルを持っている選手で、ユージーンの女子200メートルはオールスター的なメンバーとなった。

 男子棒高跳びにもリオ五輪優勝のティアゴ・ブラス・ダシルバ(23=ブラジル)、2位のルノー・ラビレニ(30=フランス)、3位のサム・ケンドリクス(24=米国)とメダリスト3人がそろった。そこに北京世界陸上優勝のショーネシー・バーバー(22=カナダ)ら2年前のメダリスト3人が加わり、至近2年間の五輪&世界陸上メダリスト6人が激突する。

 ダイヤモンドリーグは世界記録保持者のラビレニが強く、過去7シーズン年間チャンピオンを続けている。安定感抜群のラビレニに対し、他の5人のメダリストがどう挑むかが注目される。

 21日に日本で行われたゴールデングランプリ川崎に優勝した3選手も出場する。

 女子やり投げに66メートル47のアジア新記録で優勝した劉詩穎(23=中国)は、リオ五輪メダリスト3人に挑む。女子走り幅跳びのティアナ・バルトレッタ(31=米国)は、シャラ・プロクター(28=英国)と川崎に続いて対決。男子100メートルのジャスティン・ガトリン(35=米国)は、リオ五輪銅メダルのアンドレ・ドグラッセ(22=カナダ)と新旧対決に臨む。

◆ダイヤモンドリーグはIAAF(国際陸上競技連盟)が主催する単日、または2日間開催では最高カテゴリーの競技会シリーズ。2010年に発足し、昨年までは年間総合ポイントで各種目のツアーチャンピオンを決定していたが、今年はファイナル大会出場者を決めるクオリファイリング大会として12大会が実施され、16種目ずつを行うファイナル2大会の優勝者がダイヤモンドリーグ・チャンピオンとなる。各クオリファイリング大会の種目別賞金は3万ドル(1位1万ドル~8位1000ドル)で、各種目は年間4または6大会で実施される。各大会のポイント(1位8点~8位1点)合計上位8人(種目によっては12人)がファイナル大会に進出。ファイナル大会の種目別賞金は10万ドル(1位5万ドル~8位2000ドル)で、年間優勝者には賞金5万ドルのほかダイヤモンド入りトロフィーが贈呈される。出場者はトップ選手に厳選され、ほとんどの種目が予選なしの一発決勝で行われるため、緊張感あるレースがスピーディーに続く。また、オリンピックや世界陸上のように1種目3人という国毎の出場人数制限がないため、ジャマイカ、アメリカ勢が揃う短距離種目や、アフリカ勢が多数出場する中・長距離種目など、五輪&世界陸上よりレベルが高くなるケースもある。