2人がよく確認し合ったのは「軽自動車に大きなエンジンを積む」というイメージ。肩甲骨、太もも、股関節、体幹など、必要な筋肉だけをつけた。176センチ、66キロの体は細身に映るが、地面に置いたバーベルを肩の位置まで上げる「ハイクリーン」では100キロを記録する。水気を含んだトラックでも、地面の反発を呼び込む走りは輝いた。

 「東京五輪の個人で決勝に行ける選手になりたい」

 地元大阪で掲げた夢へ、腹はくくった。【松本航】

 ◆男子100メートルの世界選手権代表選考 代表枠は最大3。(1)派遣設定記録S(9秒89)を突破(2)参加標準記録(10秒12)を突破し、日本選手権優勝(3)派遣設定記録A(9秒98)を突破し、日本選手権で3位以内に入った最上位。(1)~(3)なら内定。これで枠が埋まらない場合、参加標準記録を突破し、日本選手権で3位以内の選手、参加標準記録を突破し、日本選手権以外の選考レースで日本人1位かつ日本選手権にも出場した選手、派遣設定記録Aを突破し、日本選手権8位以内の選手、強化委員会の推薦があった選手から選考する。