代名詞のスタートは、実は…。陸上の世界選手権(8月、ロンドン)日本代表に選ばれた多田修平(21=関学大)が26日、大阪・堺市で行われた代表発表会見後に意外な自己分析を明かした。

 24日の日本選手権男子100メートル決勝で10秒16の2着。5月21日のセイコーゴールデングランプリ川崎で、16年リオデジャネイロ五輪銀メダルのガトリン(米国)に「驚いたよ」と言われたスタートで差をつける展開が定着し、多田の武器として知られてきた。

 ところがこの日、多田は少々申し訳なさそうにポツリ。

 「スタートより中盤の方が得意なんですよね…。反応速度も並ぐらいなので、中盤が好きなんです」

 「スタートダッシュのイメージがついているが」という問いには「それはちょっと間違っていますね」とオチをつけ、笑わせた。

 それでも強敵を横にしながら前半でリードを奪う走りは、誰もが認めるところ。初出場の世界選手権に向けては「(日本選手権では)100メートルで2位だったけれど、代表に選んでいただいて、ありがたく思います。個人では準決勝、リレーではリオ(銀メダル)以上の金メダルを目指したい」と言い切り、大舞台を待ちわびた。