世界選手権(8月、ロンドン)男子100メートル代表の多田修平(21=関学大)が追い風0・3メートルで10秒21を記録し、優勝した。期待された9秒台は出なかったが、大会記録の10秒37は軽く更新した。

 前日6月30日の準決勝では、追い風2・3メートルの参考記録ながら10秒16の走りを披露。70~80メートルからは横を見る余裕を見せ「ベストが更新できればうれしい。最低でも10秒0台で走りたい」と決勝での自己記録(10秒08)更新を強く意識していた。

 今季急成長中の多田は6月10日の日本学生個人選手権準決勝で、追い風4・5メートルの参考記録ながら9秒94をマーク。国内では初となる電気計時での9秒台を計測し、公認記録範囲内の風となった決勝でも10秒08の自己記録を更新していた。

 同24日の日本選手権決勝では、桐生祥秀(東洋大)山県亮太(セイコーホールディングス)ケンブリッジ飛鳥(ナイキ)の16年リオデジャネイロ五輪代表組を上回る10秒16の2着となり、初の世界選手権代表を決めていた。