全日本実業団対抗女子駅伝は26日、宮城県松島町文化観光交流館前~仙台市陸上競技場の6区間42・195キロで行われる。昨年、出場2回目で頂点に立った日本郵政グループはロンドン世界陸上代表2人を擁して連覇に照準を合わせている。

 日本郵政の強さは、主要3区間をここ2シーズンの五輪&世界陸上代表で占められることだ。昨夏のリオ五輪には鈴木亜由子(26)と関根花観(21)が出場。今夏のロンドン世界陸上には鈴木と鍋島莉奈(23)が代表入りした。鈴木は1万メートルで10位と入賞に迫り、鍋島は5000メートルで自己新となる15分11秒83の今季日本最高をマークした。関根は調子を落としていたが、本番に向けて復調の兆しを見せている。

 昨年のクイーンズ駅伝は故障明けの鈴木が距離の短い2区(3・9キロ)に回ったが、エース区間の3区(10・9キロ)で関根が区間2位と好走。新人だった鍋島が5区(10・0キロ)区間賞でトップに立ち、高橋昌彦監督も「まったく予想していなかった優勝」を成し遂げた。

 上りのある1区(7・0キロ)で区間4位と好走した中川京香(20)が、今回はメンバー入りできなかった。「1区で遅れるわけにはいかない駅伝」(高橋監督)だけに、今年は上りにも強い鈴木の1区起用も可能性がある。

 3区は鈴木か鍋島か。昨年の鍋島は「あわよくば快走するのでは?」という期待だったが、今年はエースとしての走りを期待される。関根は本来スタミナ型の選手で、単独走となる可能性が高い5区にも向いている。仮に関根が3区に起用されるなら、それは昨年と同じくらいに調子が上がっているとみてよい。いずれにせよ、日本郵政が超強力な布陣で大会を迎えるのは間違いない。

 チーム4番手の宇都宮恵理(24)も力を付けてきた。10月の5000メートルが1年ぶりのレース出場だったが、自己記録を大きく更新。前回アンカーでゴールテープを切った寺内希(20)も駅伝では絶対に外さない選手で、“駅伝女”のニックネームを持つ。

 主将でもある鈴木は「目標は連覇です。昨年優勝したチームしかその権利はありませんから」と、ためらいなく言い切った。全社員約40万人の期待を背に、赤いユニホームが宮城路を疾走する。