ハーフマラソン日本記録保持者の設楽悠太(26=ホンダ)が2時間6分11秒の日本新記録を樹立した。自己ベストを3分近く縮め、02年に高岡寿成がつくった記録を16年ぶりに5秒更新。優勝したチュンバ(ケニア)に41秒遅れの2位でフィニッシュした。

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 日本陸上男子は短距離に続き、マラソンも記録ラッシュの時代に突入した。日本歴代10傑の設楽悠、井上大仁、大迫傑の記録は今季誕生したもの。15年に今井が歴代9位の記録を出しているが、それ以外は10年以上前だ。

 背景の1つはトラックで結果を残した選手が、早い段階でマラソンに挑戦する土壌ができたこと。16年秋に就任した瀬古マラソン強化戦略プロジェクトリーダーが主体となり「マラソン第一主義」を掲げ、指導者に求めた。東京五輪の代表選考方法も従来から刷新。グランドチャンピオンシップ(GC)出場権を懸けた選考レースは本番3年前の17年夏からで、早期のマラソン出場を促す結果となった。

 前日本記録保持者の高岡氏は全盛期を過ぎてトラックから転向。トラックでスピードが通用しなくなってから、マラソンに転向する従来の流れから変わった。大迫、設楽悠ともリオ五輪1万メートル代表。日本トップのスピードを維持したまま、マラソンを走るスタミナを同時に磨いた。

 ◆日本陸連の坂口泰・男子五輪強化コーチのコメント やっと時代が動いた。GCを導入して五輪への道筋が明確になり(各選手が)自分のやり方を追求している。いろんなタイプの選手が出てきた。