陸上女子の100メートル、200メートル日本記録保持者・福島千里(29=セイコーホールディングス)が13日、シンガポール遠征から帰国した。

 シンガポール・オープンに参戦し、今季2戦目となる100メートルでは決勝で11秒57を出して優勝。「思い切ってスタートを切れた。ブロックの蹴り方はいいきっかけになる」と話した。それでも「まずまずだが、合格点はあげられるものではない」と満足した様子はなかった。

 今季は復活を懸けるシーズンとなる。昨季は日本選手権での連覇が途絶え、世界選手権の出場を逃すなど苦しいシーズンを過ごした。今季からセイコーホールディングスに入社し、心機一転となった。福島は実感を込めながら「去年の経験は経験として無駄じゃない。これから頑張っていけたら」と言う。

 次戦は織田記念国際(29日)となる。昨年はふくらはぎを痛めた舞台だ。「織田記念で走れたら、自分自身大きく何か変わるかもしれない。やれることは憂うことなく、精いっぱいの力を出せれば」と語った。また「スタートラインに立てば、やることは一つ」と続けた。練習でのパフォーマンスを実戦で出す。それをできたら、過去の自分を超えられる自信がある。