シカゴマラソン(現地7日)で2時間5分50秒の日本新記録を樹立した大迫傑(27=ナイキ)が10日、成田空港着のデルタ航空機で帰国した。

2月の東京で設楽悠太(26=ホンダ)が出した記録を21秒更新し、日本人初の2時間5分台突入した男は「すっきりした気持ちで帰って来られて、うれしい」。レースは勝負に徹していたが、「最後の1マイル(約1・6キロ)は気になって、時計を見る回数が多くなったのが正直なところ」とも明かした。まだ決定はしていないが、来年3月3日の東京マラソンへ参戦する予定だ。

世界との「勝負」で勝つことに重点を置いている。ただタイムに関しても、日本記録更新ぐらいでは満足はしていない。「まだまだ僕に限らず、上を狙える選手がいる。僕自身も4分台、その先を狙っていかないといけない。(先月の)ベルリンマラソンでキプチョゲ選手が(2時間)1分台を出しましたが、やれば徐々に近づいていけると思う。そういう気持ちを持ってこれからもトレーニングをしていきたい」と力を込めた。

日本記録の報奨金として日本実業団連合から贈られた1億円の使い道を聞かれた。日本の実業団所属の選手ならば、指導者にも5000万円が支給されるが、大迫は実業団の所属でなく、プロのため、コーチへの報奨金はない。指導を受けるピート・ジュリアン氏に「どういった形であれ、1000万円を渡したい。一緒にやってきて、本当に価値が分かる。あとはまだ決めていない」と語った。