陸上男子100メートルで9秒98の日本記録を持つ桐生祥秀(22=日本生命)が27日、都内でかけっこ教室を行い、約100人の子どもたちと交流した。マイクを持って全体に指示を出し、走り方を教える講師役は土江寛裕コーチに任せ、桐生は自由に動き回りながら子どもたちとの会話を楽しんだ。

「足が速くなったかどうかではなくて、大人になってから、こういうイベントで桐生と一緒にやったっていうのを覚えていて欲しいんですよね」。子どもたちと話した内容も、「『普段何してるの?』とか、シューズを見てサッカーをやっている子だなと思ったら『どこのポジションなの?』とかでしたね」と笑顔。陸上教室の最後には、「サッカーでも野球でも足が速くて損はないと思うので、頑張って」との子どもたちへのメッセージも贈った。

桐生は1週間ほど前から冬季トレーニング期間に入った。アテネ五輪男子ハンマー投げ金メダリストの室伏広治氏(44)のトレーニングを受ける回数も、これまでの週に1回程度から週2、3回に増やした。「まずは体に慣れるところから、体作りからやっている。昨シーズンは考えすぎて力を発揮したレースがなかった。焦らずに来年につなげたい」と話した。

来季の初戦は「3月末のオーストラリアでのレースかな」と言いつつ、土江コーチは「2月の室内でのレースも鍵になる。トレーニングがしたいとかがない限り、室内に行かない理由はない」との方針も明らかにした。