日本陸連は29日、都内で会見し、女子400、1600メートルリレーで20年東京オリンピック(五輪)の出場権獲得を目指す新強化プロジェクトの概要を発表した。

400メートルリレーは12年ロンドン五輪、1600メートルリレーは15年世界選手権(北京)を最後に五輪、世界選手権の舞台から遠ざかっている。今夏のジャカルタ・アジア大会では両種目ともメダルを逃した。低迷が続く女子リレーに、光を差し込むため、来年5月に世界リレー大会(横浜)が開催されるのを機に新たな取り組みに着手する。

まず来年1月13、26日の2回、ナショナルチーム(代表候補)のセレクションを実施。従来は日本陸連が選抜する形だったが「公募型」とすることで、リレーへの意欲が高い選手を集める狙いがある。その上で、強化合宿や海外遠征を重ねるなど多くの準備期間を設け、チームワークが高まる効果を期待する。日本陸連の麻場一徳強化委員長(58)は「女子の状況は厳しい」と分析した上で「継続してできるチーム作りをしたい。みんなでリレーを盛り上げていきたい」と説明した。

セレクションの参加対象選手は100メートル11秒75、200メートル24秒25、400メートル54秒80に相当する記録を持つ選手ら。また「ワイルドカード」の選抜として、今年3月から来春に設定記録(12月15日発表)を破った選手も代表候補となる。

まずは来年5月の世界リレー大会(横浜)の出場権を得た上で、同大会では日本記録(400メートルは11年の43秒39、1600メートルは15年の3分28秒91)更新と、上位8カ国に与えられる19年世界選手権(ドーハ)の切符を目標とする。